会場:奈良月ヶ瀨 ロマントピア月ヶ瀨
担当:沼野秀和
奈良市月ヶ瀬において開催された「月ヶ瀬 お茶と和ハーブ リトリート」にて、小笠原流煎茶道
による煎茶席を担当いたしました。
本リトリートは、月ヶ瀬の自然と文化を生かし、人と里山をつなぐ体験を創り続ける株式会社あ
めつちかえるの企画により開催されたもので、地域の自然・歴史・文化を五感で体験しながら、
その価値を見つめ直すことを目的としたプログラムです。
当日は、参加者の皆様が龍王の滝や茶畑の散策、製茶体験を通して、月ヶ瀬の自然や風土に触れ
た後、煎茶席へお迎えいたしました。
お点前に先立ち、「煎茶道とは何か」「月ヶ瀬という土地」「煎茶道と月ヶ瀬を結ぶ文人文化」
をテーマに講話を行い、一碗のお茶の背景にある自然・歴史・文化・人々の営みについてお話し

茶席では、参加者が体験してきた月ヶ瀬の風景と響き合うような設えを心掛けました。
床には黄檗宗萬福寺了道老師筆「洗心」を掛け、今回のプログラムの体験を通じて心を洗い澄ませる
という願いを表しました。
お点前は清雅棚による冷茶点前とし、茶合には売茶翁頌曰、茶葉には月ヶ瀬の茶葉を用い、当地で育まれたお茶そのものを味わっていただきました。菓子には伊賀・いせや製の葛饅頭を取り合わせ、盛夏らしい涼味を添えました。
また、羽箒には白閑鳥、香合には雀、水注には竹林文、茶碗・急須には雲石・岫玉を用い、文人
文化が大切にしてきた自然へのまなざしや清雅な趣を感じていただけるよう心掛けました。
参加者の多くは煎茶道を初めて体験される方でしたが、「お茶を見る目が変わった」「一杯のお
茶にこれほど多くの物語があることを初めて知った」などの感想をいただき、煎茶道が単なる作
法ではなく、自然・歴史・文化を味わう総合芸術であることを感じていただく機会となりました。
今回の茶席は、月ヶ瀬という土地だからこそ実現できた煎茶席であり、地域の自然・歴史・文化
と煎茶道を結びつける新たな試みとなりました。今後もこのような活動を通じて、煎茶道の魅力
と文人文化の精神を広く伝えてまいりたいと存じます。
沼野先生、ご報告有り難うございました。大和茶で有名な月ヶ瀬で観光や製茶なども体験され、煎茶席道の講話や茶会まで、贅沢なイベントですね。
文人趣味の煎茶道が月ヶ瀬を通してどのような繋がりがあったのか大変興味があるところです。
同門の皆様も、その土地の歴史と文人たちが煎茶を通じて楽しまれた軌跡を紹介するような煎茶会を各処で是非開催してみてください。


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