フォールリバー市立図書館 文化講演・煎茶道実演会 報告書
開催日: 2025年10月22日 17:30〜19:00
会場: Fall River Public Library(アメリカ・マサチューセッツ州)
講師: 小笠原流煎茶道ロードアイランド教室 ペイス翠榮
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1. 開催概要
フォールリバー公立図書館よりご依頼をいただき、日本文化フェアの1イベントとして、文化講演および 煎茶道の実演を行いました。講演では、日本茶(Nihoncha)と煎茶道の歴史と文化の歩みを紹 介し、後半では実演を通して、礼・和・敬の精神をお伝えしました。当日は約30名の来場があり、会 場は終始静寂に包まれ、参加者の集中度が非常に高い印象でした。
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2. 来場者の反応
・抹茶以外に日本茶というものがあることを初めて知った。
・日本のお茶といえば抹茶だと思っていたが、Nihoncha の世界はそれだけではないと分かった。
・日本人が日常的に飲んでいるのが煎茶というのも知らなかった。
・熱くないお湯で入れるお茶があるとは思わなかった。
・煎茶の製造法や、日光を遮って育てる玉露のような栽培法が日本独自の“お茶の革命”だと知り、 日本のお茶が美味しい理由に納得した。
・時間に追われる毎日だからこそ、お金や物ではない、この“煎茶道”のような心の時間が必要だと思っ た。
・礼と和と敬意(Manner – Harmony – Respect)。 “Learning Manners is Learning Harmony.” 世界中が争いやストレスで満ちている今こそ、小笠原流煎茶道の精神が必要だと感じた。
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3. アメリカ人来場者からの声(英語原文)
・“I’ve never seen something so quietly beautiful.”
・“This is exactly the kind of mindful beauty we need more of in our world.”
・“I could feel respect and harmony in every movement.”
・“It reminded me that art can live in everyday movements.”
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4. 日本人来場者からの声
・日本茶を通して、懐かしさと安心を感じました。
・海外でこうした本格的な煎茶道を見られるとは思いませんでした。
・所作の一つ一つに日本の美を見せて頂きました。

5. 図書館関係者からのコメント
図書館スタッフより、「大変丁寧で心に残る文化紹介の機会を提供してくれた」「観覧者の集中度と 静けさが印象的だった」との感想をいただきました。
担当者 Fellisha 氏からも、次のメッセージを頂戴しました: “We really appreciate you taking the time to offer this workshop here. Please use any of the photographs for your promotional materials.”

6. 特に印象的だった言葉
・こういう目に見えない beauty こそ、本当に必要なものなのだと思います。
・Learning Manners leads to Harmony.
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7. 所感
小笠原流煎茶道が大切にしているもの、伝えたいもの――日本茶の美味しさや、日本文化の奥深さ を、皆さまが大変興味を持って熱心に聞き、感じ取ってくださいました。感想をうかがうひと時は、本当 に嬉しい時間でした。 「アメリカに煎茶道を持ってきてくれてありがとう」「日本から本物を届けてくださって感謝します」と何人も の方から声をかけていただきました。 その言葉だけで、これまでの準備が報われました。今後はその感動を、お教室での学びの一歩につなげ ていただけるよう、これからも小笠原流煎茶道の精神を大切に、丁寧に活動を続けてまいります。

ロードアイランド教室 ペイス翠榮先生
とても有意義な茶会を開いてくださり嬉しく思います。世界中で抹茶ブームですが、日本茶最高級の玉露の味わいと煎茶文化の奥深さを知っていただける機会となりました。立ち居振る舞いの中にある敬意や思いやり、少量の玉露から学ぶ感謝、盛り物・文人華に見える亭主の思い、煎茶道の和合と調和の精神など、これからの時代だからこそ必要な考え方を引き続きお伝えいただければ幸いです。
またのご報告をお待ちしております。