小笠原流煎茶道便り「日々是好日」

関西を拠点に、日本各地・海外において小笠原流煎茶道の保存と伝承を図るとともに、煎茶道文化の普及活動を行い、日本文化の向上と発展に貢献する 『小笠原流煎茶道』の公式ブログです。

関西を拠点に、小笠原流煎茶道の保存と伝承を図るとともに、
煎茶道文化の普及活動を行い、日本文化の向上と発展に貢献する
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2023年02月

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月の最後の日曜日、コロナのため中止になっていた恒例の小倉北支部の初煎会を企救焼窯元の和室で行いました。前日、お席作りをしてお茶会の準備をしました。

正座をすることが難しい方が増えましたので立礼席にいたしました。
5人の席を2席行いました。役割を決め、交代しながら和気あいあいの中に少し緊張しての初稽古となりました。

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コロナ禍で何かと不満なことが多いのですが、今一度「知足」ということを心にとめて、日本で一番早く開花する啓翁桜を使った「万代長寿」盛物と「不老長春」の正客定で一足早く春を呼び寄せたいと思いました。

小倉北支部 中村先生、ご報告ありがとうございます。
立礼の茶布敷点前ですね。
企救焼の茶器一式も素敵です。
建国記念の日近くなので一足早い啓翁桜の万代長寿もおめでたくて良いです!
今年も小倉城の呈茶などの茶会もあると思いますが、支部の皆様が楽しく煎茶活動できますよう願っております。
どうぞ、皆様にもよろしくお伝えください。



小笠原流煎茶道のホームページはこちら
小笠原流煎茶道

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  床飾り 
   座礼席   ふくべ棚点前

床飾り  「我逢人」・・・・・・ 博道猊下書

盛物    千佳    正客定・・芝蘭富貴

文房飾   いろいろ

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 点前  台湾支部 羅秀伶
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 羅秀伶 初煎会感想文
 
初煎茶会感想文
  
初煎茶会感想文

台湾 羅秀伶

 

過去3年間のコロナ禍を経て、やっと今年になって、私は念願の初煎会でのお点前披露をさせていただくことができました。それは他でもないお家元様副家元様のお力添え、お稽古を中断せざるを得ないような状況の中でも私たち台湾の生徒らに気を配り、リモートを活用してご指導し続けてくださったからこそ実現できたものなのです。心より感謝申し上げます。

リモートを通してのお稽古でありながらも、お家元様副家元様のお稽古に対する厳しい目は変わらず、お点前の流れからお道具の展開位置まで、更には微妙な姿勢の違いや僅かな指先の動きに至るまで、何一つ変わらず大変丁寧にご指導いただきました。その熱心さに報いたい気持ちからも、私は常日頃お稽古を怠らずに、練習の時も鏡を置いて鏡に映る自分の動きを確認しながら練習に励み、そして、頭ではなく体で覚えること、茶道で心を養うこと、また、お稽古を通して大切な礼儀作法を身につければ、自ずと美しさを体現できると信じてこれまで努力を重ねて参りました。

お点前と体の動きの関係はとても密接なもので、つまり、お点前が上手になるには、作法が体に浸透するまで一つ一つの動きに慣れ、頭ではなく体が流れを記憶し、自然に動いてしまうくらいになるまで練習を続けること。私はお稽古を通して、このように地道に練習を繰り返すことの大切さを知りました。これは他でも同じことなのですが、煎茶道を学ぶことを通してより一層その大切さを深く知ることができたように思います。そして、今では何事も難易度を気にするのではなく、自分がどれだけ時間をかけて慣れ親しむことができるかが重要なのだと考えられるようになりました。

今回の初煎会ではお家元様ご考案のふくべ棚を発表させていただきました。お茶席のお道具はその形や色、模様などに、「言わずとも心そこに現る」という言葉の通り、茶具にはそれを手に取る人たちへの思いが込められております。お道具一つをとっても分かるように、お点前が完結した形で披露できるのは、お点前だけの功名ではなく、そこにはお点前人を囲む物、人、空間すべてが一体となって初めて実現できるものなのです。私は小笠原流煎茶道の学びを通して、物に対する扱いが丁寧になっただけではなく、丹精込めてお道具を作られた作者にも自ずと敬意を払わずにはいられなくなりました。これからもお点前をする時に限らず、常に謙虚な気持ちを忘れずに、お道具を大切扱っていきたいと思います。

初煎会に来られるお客様は誰一人例外なくお茶文化を大切にされている人たちであると思います。露地での待合から始まり、庭園造景や床の間の掛け軸、そして美しい花の盛物などを鑑賞し、幸せな気持ちでお茶室に溶け込こみ、お点前を拝見しながらお煎茶をいただく。そしてそのお茶がとても美味しく感じるのは、選りすぐりの茶器や丁寧に行われるお点前など、随所におもてなしの心が込められているからこそなのだと思います。

思い起こせば、当初、茶道の道標として小笠原流煎茶道を学ぶと心に決めたのは、無理や無駄のないお点前の合理性の中にもしっかりとした礼儀作法が存在し、簡素でありながらも丁寧さを失わない素晴らしさを知ることができたから。そしてその素晴らしさを知れば知るほど好きになり、今では私の人生になくてはならない学びとして、心の修行の大切な部分を担っております。煎茶道のお稽古を通して私が得たものとは、人を敬い物を大切にする心、そして、物事の小さな違いにも目が届くようになり、違いそのものを楽しめるようになったことです。今後は、一人でも多くの人たちにこういった小笠原流煎茶道の素晴らしさを知ってほしいので、お家元様の教えと煎茶道の精神を伝承できるよう、これからも頑張って行きたいと思います。

 

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