こども伝統文化体験教室 報告
兵庫県が教育委員会を通して小学校・中学校・高等学校に呼びかけ て、希望校には日本の伝統文化体験教室を出前講座として赴こうとい う兵庫県独特の制度です。
私たち兵庫県茶道協会の会員として入会している流派は希望校に対し て2日間、各流派がそれに応えて出張教育に行くことになっておりま す。
今回、小笠原流煎茶道は神戸市立 雲雀丘中学校の1年生58名に対し て講座を担当することとなりました。
先生と打ち合わせの結果、本来は二日間を予定していましたが出来る ことなら講師の先生方には長時間の指導になって申し訳ないのです が、二日分を一日に集約して長時間で実施してもらえないかとの申し 入れでありましたので、私達はそれを受け入れることにしました。
人数が多いので如何にすれば効率よく体験、実践が出来るかを考えた 結果、午前と午後に分けて人数を半分にして実施することとし、講義 の前半は先生のご要望である礼儀作法を、後半は正式なお茶会を開 き、生徒全員をお客様として入ってもらおうと決めました。
当日は2月3日節分の日でした。朝9時半から4時過ぎになるのでお昼弁 当を持参しました。
前半は礼儀作法の時間で、小笠原家が室町時代に「礼王の位」を頂い た話から「あいさつ」礼儀の大切さを述べ、真・行・草の挨拶を座 礼、立礼で実務指導いたしました。
また洋間、和室での上座、下座など今はあまり言われないことですが 社会人になればとたんに役立つことになる話などで盛り上げました。
後半はきっちりとしたお茶会形式で、お床には軸と盛物が、また正客 定まで用意して席入りしてもらい、お正客には正客の挨拶と一同には お相伴の挨拶も正式にして頂きました。
お点前の一つずつ何をしているのかを詳しく説明をして進めました。 お菓子は節分の鬼のお菓子に大盛り上がり、そのお菓子のお運び、玉 露が二煎出ますのでその二度のお運びも、またそのお茶碗を引くお仕 事など、とても忙しい体験となりました。一煎目のお茶と二煎目のお 茶の味の違いにびっくりしたりして、いい日本伝統文化の一端を体験 できたのではないでしょうか。
特に嬉しかったのは先生がとても日本伝統文化にご熱心で、小笠原流 煎茶道のホームページを開かれて、その中のお点前の動画を全生徒さ んに事前に見せてくださっていたのです。これには大感激でした。
また、早速に全生徒さんの受講感想文をお届けくださいましてありが たい限りです。先生ありがとうございました。
兵庫県がこのように日本の伝統文化に力を注いで下さり、予算を計上 してくださることは大変ありがたいことで感謝に堪えません。今後と もこの制度がいつまでも続きますよう願って止みません。
以上ご報告まで。